「父さんや母さんたちが住んでいた実家、空家のままにしておくのいはもったいないから私たちが住もうかしら?」
今の狭い子供の家と比べたら、はるかに広い実家は魅力かもしれません。
もちろん家賃もかかりませんしね。
ですので、相続で空家になった実家に住むことを考える子供も多いです。
でも、その「相続で空家になった実家に住むにはたくさんのデメリットもあるので注意してください。
相続登記も終わらせないで空家になった実家に住むのはやめておけ
相続登記とは実家の名義を亡くなった親から相続する子供名義に変える手続きです。
この相続登記をしないまま、空き家になった実家に住むのはやめておきましょう。
確かに相続登記は面倒ですし費用も掛かります。
相続登記をするには
・亡くなった親の生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本
・相続人全員の署名捺印した遺産分割協議書
※誰かひとりでも反対ならNG
・登録免許税
など色々と大変です。
そのため相続の話し合いが終わっても相続登まで粉わずにそのままにしている方が少なくありません。
しかし相続は相続手続きがすべて終わって初めて完了です。
実家の不動産などの場合は相続登記が完了するまでは相続は終わっていないということを肝に銘じてください。
相続登記を完了させないで実家に住むと10年後20年後に今度はあなたの子供が困ることになる
相続登記を完了させないで実家に住むと10年後20年後に今度はあなたの子供が困ることになります。
それは
・建て替え(建築確認・住宅ローン)
・売却
・相続
の時です。
古くなった今の実家を建て替えようとしても、土地の名義は親のままでは「建築確認」も「住宅ローン」もうまく利用できません。
さらに「実家の売却」も「次の相続手続き」もできないのです。
相続登記が完了しないと、対外的には遺産相続の話し合いがまとまっていないのと同じなのです。
そしてその問題は、空家になった実家に住みだして10年後20年後に起こるのです。
「建て替え」「売却」「相続」の場合に、最初の相続の手続きから遡って行わなければなりません。
10年後20年後になったその時に兄弟たちで決まった相続の話し合いの内容を証明することもできませんし、他の相続人(またはその相続人の子供たち)が心変わりすることもよくあることなのです。
相続登記は相続人全員の署名と実印押印が必須
相続登記に限らず相続手続きは原則として相続人全員の了承が必須です。
※法的に有効な遺言書がない限り
相続で空家になった実家に住むことを考えているあなたはおそらく60歳前後かもしれません。
そうすると10年後20年後には70歳か80歳です。
そうなってから相続登記を行おうとすると他の相続人がすでに亡くなっている場合もあります。
そうなるとその「相続人の子供(あなたにとっては甥や姪)」が相続人いなり、彼らの署名や実印押印が必要になります。
その甥や姪が「私たちにも相続する権利があるんだから」と法定相続割合の金銭を要求してきてもおかしくはありません。
今の兄弟たちで話し合って決めた遺産分割相続でも、それを証明することができないのですから仕方ないのです。
さらに亡くならないまでも相続人の誰かが認知症にでもなっていたら遺産分割協議の話し合いもできません。
ですから、相続登記を完了させておかないで空家になった実家に住むのはやめておいたほうがいい理由です。
空家になった実家に住むと他の兄弟たちから恨まれる
空家になった実家に住むことを考えているあなたはもじかしたら長男ですか?
長男だから「家」や「墓」を守っていく義務と責任がある!
だから
この空家になった実家も長男の俺が相続するのが当然である!
そう考えているかもしれません。
しかし、他の兄弟からすれば
法律で子供はすべて平等に相続する権利がある
と考えていますし、それもある意味正しいのです。
遺産相続の法律では「平等な相続」としており、必ずしも「公平な相続」ではないのです。
もちろんどんな風に遺産分割するかは相続人が話し合いで自由に決めることができ、それが原則です。
ただその目安として法定相続割合というものがあり、子供はみんな平等な相続割合となっていることが問題をややこしくしています。
空家になった実家の価値評価はみんな自分勝手に行うものだから
空家になった実家に住む人は実家の価値を過小評価します。
その実家に住まない人は過大評価します。
これってある意味仕方のないことでもあります。
最終的には実際に売りに出してみないと「いくらで売れるのか?」はわからないところもあります、
多くの方は未だに場ぶり時代の相場の残像がの残っている方も少なくありません。
「今の実家は親たちがウン千万円で買ったといっていたから」
「お金には糸目をつけず有名ハウスメーカーで建てたから」
「近所の〇〇さんは坪▲十万円で売れたらしいから」
そんなこと買主には一切関係ない話なのです。
実際にあなたの考えている実家の売却可能価格と現実の相場価格は大きな開きがあると思います。
そのあたりをしっかりと認識するために一度査定に出してみることもおすすめです。
空家になった実家に住むのに地震や台風は大丈夫?
空家になった実家は築古のオンボロではないですか?
特に昭和56年以前の建物には気を付けてください。
それ以前の建物は旧耐震といわれ地震に対する耐震基準が今とは大きく異なるのです。
最近は大きな地震もたくさん発生しています。
古い建物は気を付けなければいけません。
最近は瓦葺屋根も少なくなりましたが、以前昔の建物は瓦葺のたてものもたくさんあります。
この瓦ぶきの屋根は重量が重く、地震の際には危険なことも知っておいてください。
また今は瓦自体を調達することすら難し時代です。
大きな台風や地震がよく起こり現代
最近は強大な台風や大きな地震が昔よりも増えてきているような気がするのは私だけでしょうか?
大きな台風で雨漏りが発生したらその修繕費用はかなり多額になります。
大きな地震で建物が崩壊したら命の危険もあります。
空家になった実家に住むためのリフォームにお金がかかりすぎる
空家になった実家にいざすもうと思うとそのままではなかなか住めません。
お風呂や台所などの水回りは必須でもあります。
お風呂やキッチン
ちょっと手を入れるだけで百万円単位のお金が飛んでいきます。
果たしてボロボロの実家にそこまでお金をかけるだけの価値があるのか?
そのあたりの判断は意外と難しいケースも多いのです。
空家になった実家に住むとわかる実家の住み難さ
空家になった実家に住んでみて初めてわかるのが「実家での住み難さ」なんです。
夏は暑く、冬は寒いのが実家です
今の家はほとんど壁に断熱材が入っています。
しかし、この断熱材が普及が進んだのはここ30~40年前くらいからのように感じます。
それ以前の家には壁も土壁で断熱材なんか入っていません。
また家と外気の遮断性が低く隙間だらけなんです。
ですので古い実家ほど
夏は暑く、冬は寒い
このあたりは実感できません。
不便すぎる立地
都会に住んでいた子供がUターンで田舎の実家に戻ることもあるでしょう。
しかし、田舎での不便さにものの数年で音を上げる方が少なくありません。
空家になった実家は老夫婦には広すぎる
今は超がつくほどの高齢化社会であり、日本の平均寿命も世界でも1位2位を争っているくらいです。
ですので親が亡くなって実家を相続する子供もすでに高齢者なのです。
すでに子育ては愚か、子供たちはみんな結婚・独立しています。
ですので空家になった時価に住むのは老夫婦の二人だけということになります。
広さが魅力の実家ですが、その広さが後々いになって維持管理が大変位になってきます。
高齢になてくると庭の草むしりすらできなくなるものです。
広い実家でも、実際に使っているのはリビングと寝室だけ
それが現実なのです。
今度はあなたが介護される番、実家は介護に適したバリアフリーですか?
相続した子供も10年20年も経てば今度は自分たちが介護される順番になります。
あなたが親の介護で苦労したのをお忘れではないですよね。
今度は同じ苦労をあなたやあなたの子供たちがすることになるのです。
古い家は介護のことを考えたバリアフリーなんて言う発想なんてありません。
身体が不自由になった高齢者にはとても住みにくいお家ではありませんか?
空家になった実家に住むのは相続税対策が必要な人だけでいい
これだけ空家にな田実家に住むのはおすすめしたいない私ですが、宇井いつ例外があります。
それは相続税がドカンとかかるい方です。
親が住んでいた実家を相続する時に相続税評価が80%減になる優遇措置があります。
相続税対策の大きな手段でもありますが、ただこれもよほどの一等地で広い実家の場合に限られてきます。
ただ実際に相続税がかかる方は7~8%程度といわれ、ほとんどの方に相続税は無関係の遺産相続ばかりなのも現実です。
空家になった実家は「住む」より「売却」がおすすめ
確かに親が暮らしていた実家
あなたにも思い出がたくさん詰まったお家だと思います。
しかし、そんなセンチメンタルなことばかり考えるよりも現実的なことも考えておいてください。
実家を売却してお金で綺麗に遺産分割すればむだな兄弟争いもありません。
せっかく大金をかけてリフォームした実家もそんなに長く住めるものでhないかもしれません。
※あなた自身が老人ホームに入る可能性だってあります。
老後の住まいを考えたら不便な実家よりも、それを売却して便利なバリアフリーの駅雨の中古マンションのほうが高齢者には暮らしやすいものです。
そのあたりの決断をするためにもまずは「いくらで売れるか?:も調べておく必要があります。