実家 物置代わり

空き家の実家の近所に住んでいる場合、実家を物置代わりに使っていませんか?

「どうせ誰も使っていない空き家なんだからいいじゃない」

そう安易に考えて、家の中の邪魔な物をどんどん空き家の実家に運び込んでいるかもしれません。
邪魔になった子供のスキー板やサーフボード
あるいはテレビショッピングで買ったのはいいけれど、すぐに使わなくなった大きな健康器具。
若い頃に買ったブランド物の洋服。
捨てるには惜しい荷物ほど、どんどん実家に運び込まれていきます。

空き家の実家に運び込んだのはいいけれど、それはもう二度と実家から出て行くことはないでしょう、

そんな実家を物置代わりに使っていたら
「固定資産税まで払わされる羽目になった」
というお話を紹介しておきます。

実家を物置代わりに使っていたら今まで負担してきた固定資産税が踏み倒された

実家を空き家代わりに使っていたら固定資産税鵜も払えと言われた

空き家の実家もそろそろオンボロで今にも倒壊しそうな雰囲気。
近所からの苦情も来ています。
そこでAさん(男性65歳)は妹B子さん(女性60歳)と相談して、いよいよ空き家の実家を売却することになりました.

しかし、実家の売却の話はそう簡単に進みませんでした。

もはや誰も使っていないオンボロの空き家の実家。
それほど勝ちおはないことはわかっています。

兄妹でモメたのは「実家の売却価格」ではなく「売却金の分け方」です。
長男である兄は、これからの墓守や法事のこともあるので「少しは多めにもらって当然:という気持ちもあったのですが妹は均等割りを主張しています。
確かに、今は昔と違って長男が遺産を多く相続する時代ではありません。
法律でも「子供の相続権はみんな平等」となっているのは誰もが知っています。

「それも仕方ないか…」
と諦めた長男おAさんでしたが、その後に衝撃にひと言が妹のB子さんの口から出てきたのです。

今までの固定資産税?それは兄さんが今まで実家を物置代わりに使ってきたんだから

実家の売却したお金から諸経費を差し引いて兄妹で折半する。
それでなんとかまとまった実家の売却話。

なんとか買主も見つかり、無事に契約も完了。
さて、問題が発生したのは残金決済の後でした。

悩む長男

仲介手数料やらなんやらでいろいろかかったな。
あと、今までの固定資産税や都市計画税だが、これもこの売却したお金から差し引くよ!

外に嫁いだ妹

ちょっと待ってよ!
それは関係ないわ!
だって、兄さんたち
ずっと実家を物置代わりに使っていたじゃない!
だからそれは兄さんたちが負担すべきものしょ!

思わぬ妹B子さんからの言葉にAさんは目を丸くしてしまいました。

今までずっと実家の固定資産税や都市計画税は兄Aさんが負担してきました。
その金額は年間13万円ほど。
親が亡くなって空き家になってから7年も経っています。
その累計金額は80万円ほどにもなります。

正直、田舎のオンボロの実家の売却価格は数百万円程度でしか売れませんでした。
そこから今までの固定資産税や都市計画税を清算できないとなると実質Aさんいとっては大きな痛手ででもあります。

しかし、このあたりは話し合いで決めるしかなく、こうしなければいけないというものもありません。

実家は物置ではない!使うならきちんとその維持管理費用も話し合っておく

実家 維持費 話し合い

実家は物置ではない!
なにも考えずに物置がわりに使っていると後でしっぺ返しがあるかもしれません。
それは固定資産税や都市計画税です。
実家を物置として使うのは、きっと実家を管理している兄弟の誰かだと思います。
誰も住んでいないんだからと、安易に考えていると他の兄弟たちから
「物置として使っているんだから、固定瘀資産税くらい負担して当たり前」
という認識になることもあるのです。

役所からの固定資産税の請求書は代表の方ひとりに届きます。
それも年4回の分割払いが基本です。
その1回の納税金額は数万円程度。

他に何人か兄弟がいたらひとり1万円弱にしかなりません。
そんな金額をいちいち円単位まで割り勘にして、他の兄弟たちに請求するのもちょっと気が引けますよね。
しかし、年間にしたら10万円以上になるのもめずらしくありません。
10年なら累計百万円単位になります。

ですので、空き家の実家の固定資産税の負担の話は最初にきっちりとしておきましょう。
そして、相続登記できちんと誰ひとりの名義になっていないのであれば、それは相続人みんなで共同で所有していることとみなされます。
ですから、勝手に自分の判断で実家を物置代わりに利用してはいけないのです。