親が亡くなっって空き家になった建物の解体工事は急を要する場合もざります。
もしその建物が老朽化して倒壊寸前ならご近所さんにも大迷惑をかけています。
一刻も早くた建物を取り壊す必要があります。
しかし、相続の話がまとまっていないのに実家の建物の解体工事はできるのでしょうか？
結論から言えば、実家の建物の解体工事は相続手続き前でも可能です。
なぜなら、実家を解体して建物がなくなった登記（建物滅失登記）は相続登記を経ることなくできるからです。
相続人が複数いる場合でも相続人の誰か一人からの申請も可能です。
ですから相続手続き前でも実家の解体工事は可能です。
実家の解体工事と相続手続きは別物と考えてもよい？
相続はなにも実家の建物だけではありません。
預金など他にも遺産があることでしょう。
ですから、遺産分割などの相続手続きは包括的に考えなければなりません。
しかし、そこで大きな問題があることもあります。
それは親が亡くなって空き家になって放置された実家です。
家は人が住まなくなるとあっという間に老朽化してしまいます。
ものの数年であちこちから雨漏りしてきたり、ひどい場合は倒壊寸前出来件ということもあります。
もちろん、倒壊などして誰かに被害を与えた場合は所有者の管理責任が問われることは当然です。
１．土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
２．前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
３．前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。
このように空き家の実家の所有者（相続人）は誰かに損害を与えた場合はその責任（損害賠償責任）を負う必要があります。
つまり、所有者全員’相続人全員）が全ての責任を負う義務があるのです。
普通の常識がある方ならこれに気づいて、
「なんとかしないといけないなぁ」
と考えるのが普通なのですが、ひょっとしたら相続人の中にはそんな考えを持たない方もいることもあるのです。
実家の解体工事は相続手続き前でも行える
他人様に迷惑をかけることに罪悪感を感じる常識のある方なら早く実家の解体工事を進めたいかもしれません。
もし倒壊などして
・ご近所さんに迷惑をかけたのなら？
・通りすがりの小学生の子供に屋根の瓦が落ちてきたり塀が倒れて怪我でもさせたら？
・法かでもされて家事にでもなったら？
そんなことが心配で夜もおちおち眠れないかもしれません。
しかし、遺産分割などの話がこじれて相続手続きに協力してくれない他の相続人がいることも少なくありません。
そこで知っておいて欲しいのが
実家の解体工事は相続手続き前でも行える
ということです。
実家を解体工事した時に行う建物滅失登記（建物がなくなったという登記）は相続人の中の誰かひとりからでも申請は可能なのです。
実家の解体工事を相続手続き前に行う時の注意点
実家の解体工事で必ずしも相続登記は必要ありません。
ただ誤解してはいけないのが、相続人の誰かひとりが勝手に建物を取り壊してしまうと後々トラブルの可能性もあることは知っておいてくださいやはり、可能な限り相続人全員の許可を取り付ける努力はしておきましょう。
いくら実家の解体に相続登記は必要ではないといっても、遺産分割協議や実家の建物の解体についての話し合いは終わらせておくことが大事です。
相続手続き前の実家の解体は予め解体の見積もりを取っておきましょう
こちらの記事にも書いておりますが、相続人たちで実家の解体について話し合う時には予め解体工事の見積もりをとっておくことをおすすめします。
曖昧なままでの相続の話し合いはなかなかスムーズには進まないからです。
具体的な相続の話し合いは、より具体的な数字の根拠は必須なのです。
実家の解体費用がとりっぱぐれにならないように実家の値段を調べておくのも大事
色々な事情があって、なかなか相続の話し合いの場がもてないこともあるでしょう。
しかし、実家の解体費用はウン百万円もかかることも珍しくありません。
もしかしたら、その実家の解体費用が遺産分割の話し合いの場で清算出来ないこともあるかもしれません。
ですので実家の解体費用のとりっぱぐれがないように予め実家の売却できる値段も調べておくこともお勧めします。
解体費用の負担ができない相続人がいる場合は、売却代金の中から清算してもらえばいいのですからね。
【解体しての売却値段と解体しない売却値段があまり変わらないこともある】もし解体する実家で売却も考えているなら解体前に現状でのお値段も調べておきましょう。
意外と「解体しないで現状のままの売却値段」と「解体しての更地にしての売却値段」がトータルではあまり変わらないこともあるからです。
その大きな理由に、購入者が建物建築と解体工事を行うと割安な解体工事費になることも多いからです。
また特にプロの建売業者が買う場合の解体費用は一般の方よりもかなり安く解体できます。
築古でオンボロの実家の場合、プロの建売業者が買い取って新たに新築住宅を建てて販売することが少なくありません。
その場合、素人が依頼した解体費用より毎回何度も発注している建売業者でとても大きな差が出てきます。
このあたりの事情はご理解いただけると思います。、
また解体工事は最低でも軽く100万円以上のまとまった金額になり、その費用を誰が負担するのか？
これもよく兄弟でもめてしまうポイントでもあります。
実家の相続前の解体は慎重に
実家の解体工事を相続前に行う場合は、くれぐれも慎重に行ってください。
たとえ無駄だとわかってはいても、できるかぎりの努力をしてから実家の解体は行いましょう。
良かれと思ってやったことでも、慌てて実家の解体工事を行うと他の相続人ともめることもあるからです。
会いたくない相続人もいることでしょう。
話したくない相続人もいつ頃でしょう。
しかし、そこはグッと我慢してください。
我慢してでもあなたの代で相続の話はきちんとつけておかないと、今度はあなたの子供の代が大迷惑をすることになるのです。
